はじめに
Wacom Ink Layer Language (WILL™) はクロスプラットフォームのデジタルインクテクノロジーであり、 エンドユーザーのニーズを考慮しつつ、 Wacomのさまざまな分野での経験に基づいて開発されています。 WILLを使用すると、優れたプレミアムデジタルインク機能をアプリケーションに組み込むことができます。 モジュール化されたパイプラインを使用しているため、優れた柔軟性を提供しながら、特定のアプリケーションの要件に応じて各モジュールを設定、交換、または除外することができます。
新たに導入されたUniversal Ink Modelは、インクに関連するデータ構造やメタデータの概念を記述するデータモデルであり、インクの意味(セマンティクス)上の内容を説明するために使用します。 Universal Ink Modelのファイルコード化を使用すると、インクコンテンツをアプリケーション間やプラットフォーム間でやり取りすることもできます。
本フレームワークには以下のものが含まれます。
- 複数のプラットフォームに使用できるソフトウェアライブラリ(Windows, Android, iOS, Web)
- 特有の機能を例示した Code samples
- パイプラインを設定およびテストするためのウェブベースのInk Designer
- ステップバイステップガイドを含む総合的なドキュメント
デザインコンセプト
以下はWILLの設計コンセプトの概要ですテクノロジー。
相互運用性
WILL 3.0搭載されるテクノロジーやUniversal Ink Modelはプラットフォームやデバイスに依存しておらず、特定のハードウェアプラットフォームを重視した仕様ではありません。 デジタルインクの保存に使用する形式は既に存在しており、それらはこちらに記載されています。リファレンス. Ink Markup Language [InkML] および Ink Serialized Format **[ISF]**は、Wacom Ink Layer Language [WILL]. 以外で最もよく知られているデジタルインクの保存形式です。前バージョンのWILLでは、デジタルインクのサンプルセンサーデータ(タイムスタンプ、x座標やy座標、圧力値など)の保存に対応していませんでした。 WILL 3.0では、インクセンサーのサンプルを、デジタルインクで表されたビジュアル表現やセマンティクスメタデータと併せて保存することができます。 そのため、汎用インクデータ形式から他の既存形式へのロスのない変換が可能となっています。
ナチュラル
デジタルインクに求められるのは、見た目が自然で実際のインクと同様であることです。 WILL 3.0には、あらゆるプラットフォームにわたって一貫した方法でインクを提供するためのすべての関連データが含 まれているため、デジタルインクのビジュアル表示をプラットフォーム間で共有することができます。 WILLによる粒子インクのラスター化を使用すれば、自然なブラシを設定して、図1に示すようなイラスト作品を作成できます。
図1:ラスター/粒子インクで作成されたイラスト作品
アクティブ
モバイルアプリ、クラウドアプリケーション、またはクラウドサービスは、現代のITインフラストラクチャの一部となっています。 そのため、最新のデータ形式では次のような問題に対応しなければなりません。
- デバイスを識別できる一意のID
- ストリーミング機能によるインクデータの部分アップデート
- ドキュメントサイズの縮小
- JSONなどの一般的に使用されるウェブ規格のサポート
図2:アクティブなインク